オバマ新移民政策

先日、オバマ大統領が新しい移民政策を発表し、当事務所でもかなりの数のお問い合わせがありましたので、その条件やプロセスを少し説明してみたいと思います。

Q1. 簡単に言うと?
A. 今回の政策は法律ではなく、大統領命令です。アメリカの憲法の下で、大統領は行政命令を作成する権利があります。
しかし、大統領命令は次期大統領の延長がなければ、効力がなくなります。

Q2. 条件は?
A. (1)アメリカで不法滞在している者であること、しかもその滞在期間が5年を超えている。
  (2)その者はアメリカの市民権あるいはグリーンカードを持つ子供がいること。

Q3. 申請できるのは?
A. 労働許可

Q4. 手続き方法は?
A. 今のところ、移民局からの正式的な発表はまだありませんが、移民の弁護士の間で予想しているのは、現行法のI-765と同じようなフォームです。

Q5. いつから申請できるのか?
A. また発表されていませんが、2015年の春頃だと予想されています。

Q6. グリーンカードも取れるのか?
A. 大統領の命令には色々な限界があります。グリーンカードは移民法によって定められたものであって、大統領命令だけでは、グリーンカードを発行させるかどうかの権限がありません。
つまり、残念ながら今回の政策はステータスを得る永久的な解決策とはなりません。
ただし、もし国会が今回の政策に合わせて、もっと完全な移民法の改正を打ち出した場合、当然グリーンカードに繋がっていくこともあり得ない話ではありません。

今回の改正を、ただ労働許可を得るだけのものだと考える人もいるかもしれませんが、その本当の意味は労働許可を取ることによって、その者が強制送還の対象から外されることであります。
つまり、ある意味でアメリカ政府はその者たちの在住を許可するということです。

いつか逮捕され、強制送還されることを日々恐れながら暮らしていた人たちにとっては、人生の転機とも言える重大な出来事となることでしょう。