刑事犯罪の初犯で移民法に引っかからないシステム( Diversion)‏

今日はDiversionという刑事システムについて説明します。
刑事犯罪の中で、移民法に引っかかる罪と引っかからない罪があります。

引っかかる罪、つまり強制送還や入国拒否となりえる罪については、こちらで以前にも軽く触れた事があります。

通常は、罪を認めた場合(Guiltyまたは、No contest)、その人が罪を認めたという記録が残されます。
つまり、もしその罪が移民法上で引っかかる罪でしたら、その記録は移民局のデータベースにも現れます。
移民局はそれを元に、その者のビザやGreen Cardを剥奪することができます。
万引きは刑法の中でかなり軽い犯罪(もちろん金額によります)ですが、少額だったとしても移民法に引っかかってしまう犯罪となっています。
よって、例えわずかな罰金を払って終わらせたような簡単なケースだったとしても、そのせいで移民上のステタースをなくすことになります。

しかし、罪を認めたとしても有罪にならないDiversionという仕組みがあります。
但し、初犯のみに適用され、且つ裁判所や検察官に提示されている条件を満たす必要がありますが、認められた場合には不起訴処分(Dismiss)という記録になります。
その場合、犯罪歴は記録に全く残りません。移民局のデータベースでも現れないので、例え移民法上で引っかかる罪であったとしても、ステタースを剥奪されることはありません。

ただ、どんな犯罪にも適用されるかというとそうではなく、カリフォルニアでは、現時点で主に盗みや違法な薬の所持などの罪に使われています。

万引きの初犯の場合によく提示されるDiversionの条件の例です。
1.盗んだ品物の金額を支払うこと
2.一定の時間のボランティア(Community Services)をこなすこと(10~30時間)
3.万引きをやめるクラスを受けること

特にビザを所持されている方は、軽犯罪を起こしてしまった場合でも
慎重に対処し、ステータスを失わないようにお気を付けください。

H-1B のアメンドメント(Amendment)

H-1Bを申請中に新しい会社に移る事になった場合、申告する必要があるという事を恐らくほとんどの方がご存じだと思います。
でも、例えば、同じ会社で違う州が所在地となっている場合などにH-1Bのアメンドメントを出さならないという事を知る方は少ないと思います。

以前は、移民局はどのような時にH-1Bのアメンドメントをしなければならないのかという事を具体的には言っていませんでしたが、2015年の4月に公開された政策により、それをはっきりとさせました。

修正申立てをする必要があるのはどんな時?

1. あなたがH-1Bビザを申請した都市圏外の地域に仕事の現場が移った時。この場合、労働局による新しい都市圏の平均賃金の査定も必要になります。

2. 元々申請していたH-1Bの内容から大きな変更がある時。その状況として考えられるのはFull TimeからPart Timeになったなど。

修正申立てをする必要がないのはどんな時?

1.同じ都市圏内で仕事現場が変更になる場合。たとえば、ロス市の都市圏内に新しい事務所が作られていて、その新しい事務所で働く場合などです。

2.短期の場合。最大30日間は別の仕事場で勤務することができます。

3.州外のお客様の会社に臨時的な出向がある場合や、経営会議やスタッフのセミナーなど、単発的な旅行に参加する場合。

修正が必要な場合にそれを行わなかった場合、違反申請となり、H-1Bが取り消される事もありますのでご注意ください。
小さな事でも仕事に関して何か変化がある場合は、とりあえず弁護士にご相談することをお勧めします。

オバマ新移民政策 ーアップデート情報5

オバマ大統領の不法滞在者に労働許可を発行する政策に関して、
アメリカの最高裁は1月19日に正式にケースを受理しました。

アメリカの最高裁判所が他の裁判所と決定的に違う部分は
最高裁判所には上訴されたケースを受理するかどうかを決める権利があるということです。
つまり、上訴を受け入れるかどうかは最高裁判所次第ということになるので、
今回ケースが受理され、まずは一歩前進したということになります。

現時点で、オバマ大統領の任期はあと一年しか残っていませんので、
任期内に勝訴する事ができれば、オバマ大統領は速やかに労働許可を発行すると考えられています。

最高裁判所の発表では今年の4月にこのケースの口頭弁論を聴聞し、
6月に判決を出す予定になっていますが、
具体的な日程はまだ発表されていません。

前回の記事はこちら
オバマ新移民政策 ーアップデート情報4