オバマ新移民政策 ーアップデート情報4

11月9日、第五米国連邦裁判所の裁判官3人は、2-1でオバマ大統領の不法滞在者に労働許可を発行する政策の施行禁止令を維持するという事を決定しました。本裁判は残っていますが、裁判所が禁止命令を維持するということを決定している以上、オバマ大統領はこの件で勝ちぬける可能性がほぼ消えてしまいました。

負けたとはいえ、幸いにもこの判決がかなり早い段階で出されたことで、アメリカの最高裁判所に上訴する時間の余裕をオバマ政権に与えました。今回の政策は大統領命令の下で進められてきたので、次期大統領に変わってしまえば、上訴されない可能性も大きかったのですが、この時間の余裕ができたおかげで、オバマ大統領の任期中に上訴が可能となるでしょう。

オバマ大統領は、早速、最高裁判所に上訴することを発表しており、その裁判は来年の夏に行われることが見込まれております。つまり、彼の任期内に今回の移民政策を実際に施行できるかどうかが決定されることになります。

施行することになれば、およそ500万人を上回る不法移民者に労働許可を出すことになります。そうなった場合、その500万人は強制送還の対象から外されることになります。

前回の記事はこちら
オバマ新移民政策 ーアップデート情報3

Eviction-テナントを立ち退きさせるための大家さんのガイド

カリフォルニア州法の下でテナント(賃借人)を立ち退かせるには時間がかかり、かなり複雑なプロセスとなっています。
このプロセスを、立ち退き訴訟「不法占有」(Eviction)と呼び、1ヶ月程かかると思っていいと思います。この訴訟で家主は「原告」となり、テナントは「被告」となります。
今回は、テナントを立ち退かせるために必要な手順を概説したいと思います。

1. 立ち退かせるための法的な理由をまとめ、テナントへの通知書を作成する
大家がテナントを立ち退かせるには、当然ながら正当な理由を持っている必要があります。その理由によって、テナントの立ち退きまでの猶予期間が違ってきます。猶予期間が分かったら、テナントに渡す通知の中で「(____)日以内に引越ししてください」というように日にちを記します。

立ち退きとなる理由と猶予期間の例:

A.家賃を支払わないこと(猶予:3日)

B.賃貸契約の条項に違反すること(猶予:状況によります)

C.違法な目的のためにプロパティを使用し、麻薬等不法物の製造または販売をしているか、使用していること(猶予:3日)

D.他のテナントに重大な迷惑を引き起こしたこと(猶予:状況によります)

E.また、単純に適切な通知を行うことにより、毎月借りているテナントを立ち退かせることができます(猶予:1年以上住んでいたテナントには60日前、一年未満のテナントに30日前の通知を行う)

F.大家が家を売りに出したこと(猶予:30日)

私の経験上、この通知がEvictionの中でもっとも大事なプロセスだと考えます。なぜなら、この知らせを渡さなければ、次の裁判所でのプロセスを起こすことはできませんし、裁判所のプロセスがある程度進んでから間違いに気づいた場合、裁判を取り下げて最初からやり直すしかありません。そうなると、裁判所の費用などをもう一度払わなければならなくなってしまうからです。
ここは是非慎重に準備してください。

2. 通知を渡す
通知は通常大家が直接テナントへ渡します。
テナントがその受け取りを拒否した場合、テナントの傍の地面にそれを置き残すことによって、渡す義務を果たすことができます。

直接渡すことが不可能な場合は、郵送や警察を雇うなど他の渡す方法もありますが、場合によってもっと複雑な方法を取らざるを得ない事もありますので、弁護士と相談することをお勧めします。

3. 裁判所のプロセス
上述した通知書と契約書のコピーを裁判所に提出し、受理された書類をテナントに渡します。この時原告が被告に書類を直接渡す事は出来ないので、要注意です。
普通の民事裁判では被告人が30日間のAnswer(異議の申し立て)の時間があるのに対して、この種の裁判ではテナントは5日しか異議を申し立てる時間がありません。

時間が過ぎれば、裁判所から強制的にテナントを追い出す命令が出されますので、その命令を警察に渡せば、命令を執行してくれます。

テナントが期日以内に申し立てをしてきた場合、公判期日が設定されます。裁判では、双方は証拠を提示し、自分のケースを説明する必要があるので、できるだけ多くの資料を収集することが成功につながります。

4. 立ち退き以外に請求できるもの
テナントに対して、未払いの家賃と裁判所の費用など請求することができます。たとえ、テナントが既に立ち退いた後でも、これらの費用を請求することが法的に許されています。

ビザブリテンの見方

以前、こちらのブログにも書かせて頂きましたが、10月からグリーンカード申請の手続きの方法が一部改正となり、ビザブリテン(Visa Bulletin)にも変化がありましたが、本日はその見方をご紹介してみたいと思います。

まずビザブリテンとはそもそも何なのかと言いますと、グリーンカードの申請における優先順位を発表する表の事です。
この表は毎月、国務省により更新され公開されており、発表される優先順位は、I-140という書類が受理された日付(Priority date)によりつけられています。当然、そのDateが早い(古い)人程優先順位は高くなります。

では、この表のどこに自分のPriority dateが表示されるかですが、まずGreen Cardの申請方法でいくつかに分類されます。

家族(親子、姉妹、兄弟など)を通して申請した場合、そして学歴や雇用によって申請した場合で分けられ、後者は更に細かく分類されています。(EB-1:優れた能力を有する者、EB-2;大学院の資格かそれに見合う職歴を持つ者、EB-3:大卒かそれに見合う職歴、または特殊技術を持つ者)

以上は出身地(国) によっても更に分けられます。

本日は、申請方法で最も多い「雇用ベースで大卒の学歴を持つ」「日本」人の場合を例にあげてみたいと思います。

雇用ベースの場合は、Employment-Basedと記載されている表を見ましょう。
「3rd」の列で、日本人の欄(All Chargeability Areas Except Those Listed)の行が、対象となる方達のその月のPriority dateです。

以下は、先日発表された2015年11月分の表ですが、「01SEP15」と記載されています。
これは、2015年9月1日という意味で、Priority dateがその日付以前の方達に順番が回ってきているということになります。

Visa Bulletin

今11月なので、もし今日の日付でI-140が受理された方は、もしこのプロセススピードに変化がなければ、約2か月待てば書類の提出ができるだろうということも予測できます。
「C」はCurrentの意味で、待ち時間が全くない状態を指します。

この表はこちらのページで発表されています。
http://travel.state.gov/content/visas/en/law-and-policy/bulletin.html

※URLが変更になる場合がありますので、予めご了承ください。