Green Card(永住権)手続き改正その後

先日、Green Card申請にまつわる移民局の大きな改正を紹介させて頂きました。(詳細は以前の投稿を参照してください。)
移民局の発表では、中国、インド、メキシコなどのグリーンカードの申請速度が一番遅い国々が大幅に早くなると述べていたにも関わらず、10月に発表されたPriorityの日付を見ると、これらの国々の人たちに利益をもたらすことにはなっていませんでした。

この発表に激怒した人々は、全国集団訴訟を引き起こしました。起訴者の多くは、2015年11月ビザブリテン(10月9日公開)で状況を改善することを要求していましたが、残念ながら、11月の速報も移民局の最初の約束が守られる事はなく、やはりプロセス速度は遅い状態でした。
集団訴訟の原告は、翻訳して必要書類を入手し、健康診断を受けるなどのファイルの準備を移民局の発表に従って用意したのにも関わらず、その努力が全て無駄であったと述べ、起訴書の中に発生した費用やその他の被害を説明しました。しかも、健康診断などの書類の有効期間は180日にしか過ぎず、期間が過ぎてしまえば、再度診断を受けなければなりません。

今回、最終書類を出せるとみなされていて、結局出せなくなった人数は数万人に上る見込みです。しかし、今までの判例から考えると、起訴者たちの勝ち目はほぼないと考えられているようです。

2015年11月のビザブリテンは、このようになっていました。

Final Action Dates

Dates for filing

H-1Bトランスファー Q&A

当事務所で多く頂く労働ビザのトランスファーに関する質問をまとめてみました。

Q: H-1Bを新しい会社に移す(トランスファーする)ことはできますか?
A: できます。

Q: H-1Bのトランスファーは抽選になりますか?
A: いいえ。H-1Bのトランスファーは、既に抽選で当たって今現在所持しているH-1Bを他の会社に移す事になるため、抽選になりません。

Q: 何回トランスファーできますか?
A: 移民法の中でH-1Bをトランスファーする回数を制限する規定がありません。理論上ではH-1Bが有効であれば、何回でも移すことができます。ただ、費用や申請期間、有効期間などを考えると、何度もトランスファーすることは物理的には不可能です。

Q:H-1Bをトランスファーする際に、前の会社に知らせる必要はありますか?
A: 前の会社に知らせる必要はありません。また、前の会社は申請者の新しい仕事先などを調べる手段がありませんので、ばれて困るという心配はありません。

Q: トランスファーをして、移民局からもApproval(許可)をもらった後、後悔して、前の会社に残って仕事することはできますか?
A: できます。前の会社で続けて仕事することが許されています。

Q: H-1Bをトランスファーする際に前の会社からの収入証明書(Paystubs)をいくつ出せばいいですか?
A: 最近の2~3ヶ月分必要です。

Q: 雇用されてからまだ間もなく、収入証明(Paystubs)がまだない場合はどうすればいいですか?
A: その時に収入証明がまだ発行されていないという証明書を提出することができます。会社からもらえない場合は、自分の証言でも構いません。

Q: 今の会社と契約をしていて、後数年間はそこで働かなければいけませんが、H-1Bをトランスファーできますか?
A: これは移民法の問題ではありません。むしろ労働法や契約法の問題になります。移民局はH-1Bをトランスファーすることを許可すると思いますが、契約違反で会社に対してなんらかの弁償をする責任が出てくるかもしれません。

Q: H-1Bを日本で取得しましたが、一度もアメリカに来て働いたことがありません。期間がだいぶ経ってしまいましたが、アメリカで他の会社にトランスファーすることはできますか?
A: できます。アメリカでの新しい勤務先が見つかれば可能です。