未払いの給料の取り立て

カリフォルニア州の労働局の重要な役目の一つとして、未払いの賃金の支払い要請があります。
従来、雇い主から未払いの賃金やオーバータイムを取り立てる命令を出せるのは裁判所だけなのですが、現在相当な裁判の数があり、裁判所を通すと本裁判までに約2年というかなりの時間がかかってしまいます。

結果、より早くケースを解決させるために、労働法の違反のケースを裁く力が労働局に与えられました.

では、どのようにして雇用主に対して未払いの賃金を請求するかと言いますと、全ては労働局にクレームを出すところから始まります。
用紙が労働局のホームページに掲載されいるので、そちらを使用頂けます。

Click to access english.pdf

その用紙を記入したら、未払いの賃金やオーバータイム、チップ額等を細かく計算した上で、例えば給料の明細など実際に働いた証拠を添付し、労働局に送ります。

労働局は受理後に、いついつ労働局に来てくださいという知らせを会社側と申し立てた者に送ります。それをInitial conference といいます。
このInitial conferenceで、十分な証拠があるか、このケースは本当に違反になっているかどうかを労働局が判断します。
これが通れば、本裁判の日程の知らせが後日届きます。

簡単そうに見えますが、未払いの賃金の計算、罰金の計算、利子の計算などかなり複雑になることもあり、労働法に基づいたプロセスを通らなければならないので、やはり労働法を取り扱っている弁護士に依頼するのが間違いがないです。

当事務所では、労働局のクレームのケースを成功報酬で受け取っていますので、お金がない時に弁護士費用を支払わなければならないといったような心配はございません。
是非お気軽にお問い合わせください。

オバマ新移民政策 ーアップデート情報6

オバマ大統領の移民政策の裁判の最終判決が本日2016年6月24日、アメリカの最高裁から下されました。

裁判官は8人おり、4対4で意見が分かれたため、過半数の賛成が得られず、残念ながら、最高裁はオバマに対して好結果を出すことができませんでした。

つまり、結果としてはオバマ大統領の敗訴という事になりました。

オバマ大統領は今朝、記者会見を開き、自分の任期内で移民を整理する政策を打ち出すことはもうない事を発表し、移民問題を次の大統領に託すと述べました。

前回の記事はこちら
オバマ新移民政策 ーアップデート情報5

交通事故の弁償について

交通事故の弁償は、大まかに二つに分類されます。
一つはProperty Damages (車の破損に対する弁償)で、もう一つはPersonal Injury(人身に対する弁償)です。

Property Damagesに含まれる弁償内容:

1. 車の修理
自分の保険を使って車を直した際、保険会社は相手の保険会社に修理代を請求します。
その際のDeductible(自己負担額分)は相手側から支払ってもらう事になります。

もし、自分の保険を使いたくない、あるいはフルカバーをもっておらず使えない場合は、事故車を修理工場に持って行き、直接相手の保険会社から修理工場に支払ってもらう事になります。

2. レンタカー
車を修理している間のレンタカー費用を請求することができます。
レンタカー会社によって、自分の代わりに保険会社に請求するサービスをしていることもあります。
Enterpriseはこの面で結構協力してくれるので便利です。

3. 給料
車の事故によって、出勤できなかった場合に、その日数を計算した給料分を相手の保険会社に請求する事ができます。
その際に会社からの証明が必要な場合がほとんどです。

以上の弁償に対して受け取った賠償金からは、弁護士報酬が差し引かれる事はありませんので、クライアント様は全額を受け取る事になります。

Personal Injuryに含まれる弁償内容:

1. 病院代
人身事故の弁護士は治療ができる医者のリストを持っています。
その紹介された医者のところに行けば、治療代も成功報酬にする事ができます。
つまり、その代金をまず払っておくというような必要がなくなります。
しかも、人身事故のケース経験がある医者ですので、保険会社と交渉しやすいように治療報告を作成することもでき、請求がしやすくなります。

2. 精神的な苦痛
大きな怪我をしてしまった場合など、精神的にもやはり厳しい苦痛が伴う事がありますので、こちらについても請求することができます。

Personal injuryの弁償代から成功報酬は支払われる事になります。
最初に結ばれた契約に従い、決まった割合でクライアント様、医者、弁護士へと賠償金が振り分けられます。

何よりも安全運転が大切ですが、万が一の時には
ケースを速やかに解決し、スムーズに請求を行うためには、
やはり、事故後すぐに弁護士と相談することが重要でしょう。

Drive safe!

意外に重要な無保険運転者補償

自動車保険を購入する際、保険会社から色んなプランを提示されます。
そこから項目を追加していくことで、保険の料金も追加されるシステムになっています。

何が実際必要なのか迷ってしまいますが、中でも重要性が見落とされやすいのは、Uninsured Motorists Coverage(無保険者保険)です。

この保険に入っていると、事故にあってしまった際に、もし相手が保険をもっていない場合、自分の保険で車の修理や医療費、怪我をしていなければ受け取れていた給与等の補償をしてくれます。

2009年の調査で、カリフォルニア州で車保険なしで運転している人はなんと15%にも上る事が分かっています。
相手がこのように保険を保持していない場合、車の修理や医療費を請求できないケースがしばしばありますので、
保険料が多少上がってしまうかもしれませんが、万が一のためにこのCoverageを購入しておくことをお勧めします。

労働者災害補償ーWorkers compensation

仕事中に怪我をしないことが第一ですが、万が一のために知っておきたい労災補償について、本日は書いてみたいと思います。

1.労災補償とは
カリフォルニア州では労働者災害保険を購入することが、会社に対して法的に要求されています。
この保険で従業員の医療費や、重傷で仕事ができない場合の生活費を支払うことになります。

保険としては、車事故の際の保険会社の弁償に似ています。

2.職場での怪我の例
・会社の車を運転中に事故にあった、仕事中につまづいて倒れたといった一回のイベントでの怪我
・一定の動きを続けることによる筋肉の疲労や負傷など、反復動作からくる怪我

3.弁償できる範囲
・医療費:
仕事に起因する怪我や病気から回復するのに使われる医療費は、医師による診察やその他の治療サービス、テスト、医薬品、機器等の費用、及び治療に必要な旅行費用が含まれています。

・一時的な障害給付:
怪我が回復している間に、給料の一部分が支払われます。

・永久的な障害給付:
もし怪我が完全に回復しない場合も支払いを受ける事ができます。

・死亡給付:
仕事で死亡した場合、配偶者、子供、またはその他の扶養家族へ支払われます。

4.クレームの手順
あなたの負傷を保険会社(保険会社の情報は会社からもらえます)に報告し、必要に応じて応急処置を受けた後、以下の手順に従って手続きしてください。

A.請求用紙に必要事項を記入し、あなたの雇用主に提出。あなたの雇用主が保険会社にそれを提出します。

B.リストから自分の怪我や住所に合わせて医者を選び、治療を開始します。

C.治療している間、医者から出された診断書に従い、毎月の給料の一部分を保険会社から受け取ります。

D.完全に治療が終えた際に、最終的な請求ができます。

移民申請費用の値上がり

5月4日、移民局は移民サービスの申請費用の値上げについて予定表を発表しました。
この表によれば、移民の申請費用は平均して21%程もあがることになります。

発表された中からいくつか例をあげますと、

I-130(家族関係のグリーンカードの書類)の申請は、現在の$420から$535に、I-485(ビザからグリーンカードに切り替える際の書類)の申請は、現在の$985から$1,140に上がります。

I-129(仕事関係でグリーンカードを申請する際やE-2と労働ビザ申請をする際の書類)提出時には、$325から$425に上がります。

一番あがるのはI-910(グリーンカード保持投資家の会社設立の書類)の申請で、現在の$6,230から$17,795に値上がりとなります。

後はI-526(投資家の最初のグリーンカードの書類)の申請は、$1,500から$3,675と、こちらも大幅に上がる予定のようです。

移民局は申請費用で運営を賄わなければならない部門ですので、一番最後に費用をあげた2010年から、既に6年が経過しているということもあり、費用が値上がりするのも近いだろうと予想されています。

但し、この値上がりは様々な法的な手続きを通らなければ正式にはならないので、現時点では、新しい費用がいつから有効になるのは未定となっています。

以下はFEDERAL REGISTERから抜粋した予定表です。
(https://www.federalregister.gov/articles/2016/05/04/2016-10297/us-citizenship-and-immigration-services-fee-schedule)

immigration benefit request fee1

immigration benefit request fee2

親権の種類

子供の親権 (Child Custody)は、カリフォルニア州では二つの分野から構成されています。
一つは子どもの人生の決定権(Legal Custody)、もう一つは子供と暮らす権利(Physical Custody)です。訪問権(Visitation)は親権とは別のものとして考える者もいます。

子どもの人生の決定権(Legal Custody)とは、子供をどの学校へ通わせるか、どんな習い事をさせるかといった教育などに関する事項を、親として決定する権利です。 カルフォルニア州では、相当な理由が無い限り、この権利は親の間に50%-50%で分けることになります。
つまり、子供の教育など判断する際には、もう片親の承諾が必要となります。でも、もし両親が別の国で住んでいる場合、法的に50%-50%になったとしても、急きょ手術を受けなければならないといったような緊急時に、もう片方の親の承諾を待つことができないこともあり、結局子供といる親がすべて決めてしまう事がほとんどです。

子供と暮らす権利(Physical Custody)とは、子供がそれぞれの親と過ごす時間の割合を指します。法的的には50%-50%が望まれていますが、これも実際の状況で判断することになります。
例えば、生まれたての赤ちゃんの場合は、やはり母親との時間が長くなります。片親といる時間が極端に長くなると、Sole Custodyと呼びます。その場合、もう一方の親には子供の訪問権 (Visitation)が与えられることになります。

L-1ビザからH-1Bに変更する時の注意点

L-1ビザ(企業内転勤者ビザ)、所謂、駐在員ビザの保持者がアメリカで転職をする際やL-1の有効期限が切れる場合など、H-1B(特殊技能職ビザ)に変更することが許されています。
当然、他のH-1Bの申請者と同様に抽選で当たる必要はあります。
L-1ビザの保持者は、既に就労しているという事で、他のH-1Bの申請者とは別の点で、注意すべき事があります。

H-1Bは毎年10月1日に有効になります。つまり、10月1日の前日にL-1ビザで働くことを止めなければなりせん。
今年2016年の10月1日は土曜日にあたりますので、働く方は少ないと思いますが、ここで覚えていて頂きたいのは、10月1日以後に一日でも働いた場合は移民法の違反になってしまいます。その結果、H-1Bを取り消されることもあります。

しかし、現実問題として、どうしてもL-1の会社で働かなければならない状況はありえます。
実際に当事務所でも、H1-Bを取れた後で、どうしても元の会社で働かないといけないというケースは複数ありました。
その時、以下の方な方法で対処いたしました:

1. H-1Bを速やかにL-1に変更
(H-1Bは無効となります。)

2. 一度海外に出て、大使館や領事館で新しいL-1スタンプをもらう
(H1-Bを使っていない状態になります。)

3. 一番最初にH-1Bを申請する時、大使館でビザを受け取る選択をする
(大使館でビザを受け取ることにすれば、ビザを受け取る前にH-1Bが自動的に有効にはならないので、アメリカから出るまでの間はL-1ビザの方が有効となります。)

どのような対処法がご自分に合っているかは、担当の弁護士にご相談ください。